※34話更新後のＳＳとなります





緑＝佐伯
オレンジ＝高森






「――お前らってさー」

「んもが？」

「……なにモゴモゴしてんだよ」

「んべー」

「ああ……さくらんぼの茎ね」

「なーんか結びたくなんねえ？」

「いや、別に」

「つめたっ！」

「でかい声出すなよー。ここは居酒屋じゃなくて、お前曰く、オッサレ〜なバーなんだから」

「へーへー。で？　何だって？」

「いや、お前らって――ああ、とトキヤとお前の事な。面白いくらい、一方通行なんだなーって、んぐっ」

「面白がるなよ。――サクランボおいしい？」

「……すっぱい」

「ざまーみろ」

「だってさー、まずお前からに矢印が出てるわけだろ？」

「そーだねー」

「で、からトキヤ、トキヤから大家さん」

「そーだねーって、違う違う！　大家のむ・す・め・さ・ん！」

「ああうん、それ」

「ったく、こえーこと言うなよ……どんだけ年上好きだ……」

「綺麗に一直線だよな〜と思って」

「んな感心されても」

「あ」

「……？　なんだよ？」

「この、大家の娘さんの矢印が俺に向いたら、今度は綺麗なまん丸だね」


……。


「トモ君！？」

「カズナ、顔近い」

「やめてね！？　やめようね！？　やめてください！！」

「そして声がデカイ」

「頼むからそんなややこしい関係にしないでくれ……マジで……」

「ちょっと言ってみただけだっての。冗談冗談」

「お前が言うとジョーダンに聞こえねーんだっつーの。って、ハッ！」

「ん？」

「い、今、さり気に俺をハブにしなかったか！？　そのまん丸の中に、俺の存在なかったよな！？」

「え……じゃあ、俺の矢印をお前に向けろと……？」

「誰がそんな話をした！？　何その侮蔑の込められた眼差し！　こっちから願い下げだ！」

「ふっふーん、なかなかのテクニシャンよ？　俺ｖ」

「ば――」


ベーっと出された舌を見て硬直する。
舌の上にちょこんと乗せられたさくらんぼの茎は――


「り、リボン結び……」

「――試してみる？　カズナ君？」

「誰が！！　ってかお前、こういう時だけ心底楽しそうに笑うのやめろ！　いじめっ子オーラを出すな！」

「お前ら三人って、てんでタイプバラバラのくせに、変に共通点あるんだもん」

「はあ？」

「ものすごーく、いじりやすい」

「それ、お前にとっては全人類の共通点だろ！？」

「お前らは特別いじりやすいけどなあ」

「うーわー、ぜんっっっぜん嬉しくねえ」

「ハハハ」


――ものすごーく、とくべつ


「……なんだけどなあ」

「あ？」

「キモイから言ってやんない」

「キモイ！？　何が！？　俺が！？」

「え？　いや、違――うん」

「お前、今絶対途中で何か面倒臭くなっただろ！！」

「アハハ、――うんｖ」

「少しは悪びれろ、お前はー！」







オッサレ〜なバーは↓のＣＤで登場してます。
ＣＤではカズナとトモが恋バナを繰り広げているのですが、

超にやけますよ。







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