緑=佐伯
青=倉橋
赤=ヒロイン

【ゲーム篇】

「やっぱり、代表作……というか、
一番知名度が高いのは『Vitamin X』じゃありませんか?」


「あ、そうなんだ。あの、メガネの一見一番まともそうな役のやつでしょ?」

「蓋を開けてみれば、日本語が崩壊してるトップバカだったけどな」

「この作品で鈴木達央を知った方って多いんじゃないでしょうか。
というより、この作品のイベントDVDで」


「ああ、あの、色んな所がフルバーストの」

あえてツッコミませんよ、私は。
発売されるまでは『何だあの絵は』と様子見状態だったんですけどね。
始めてみるとそれほど気にはなりませんでした。
ラブアイテムなる物にはぶっ飛びましたが」


「ときめき度が上がってくると、キャラがアクセサリーつけるんだっけ?」

「はい。恋愛度が上昇すると指輪やヘアピン等を身に付け、
勉強度が上昇するとメガネ眼鏡めがねを身に付け出すんです」


「よっぽどツボったんだな……」

「ただ一ついただけなかったのは、
最愛のたつ君キャラ(真壁翼)は恋愛度が上昇すると、
いきなりメガネを外すんですよ!
あの時の私が受けた衝撃といったら! 
すぐさまラブアイテムを解除しにシステムへ走りましたね」


「ちゃんと付けるか付けないかは選択出来るんだね」

「そうですね。その押し付けがましさがない点は評価出来る所です。
でなきゃ、一ファンはプレイ中ずっともにょってるだろうし、
悟郎ファンはEDで引っくり返りますよ」


「シナリオは? 結構ボリュームあるのか?」

「そうですね。ともかく、一人一人別々にシナリオが用意してあるので、
金太郎飴の様な事にはなりません。
最初にキャラを一人選んで章を進めていくのですが、
選ばれなかったキャラもちゃんと関わってきますし」


「お前、翼だけで5回ぐらいプレイしてたもんな。飽きないのか?」

「飽きますよ。
だけど、EDだけで三つもあるし、
ツッコミ&スルーポイントはやっぱり両方試したいし、その上月末の定期試験ですよ!
パーフェクトとらないと、ご褒美シナリオが見られない! 
衣笠先生と真田先生が憎い!!」


「ツッコミ&スルーって? これ、お笑い育成ゲームだっけ?」

「キャラがかますボケに対して、先生、まあヒロインですがね。
先生がツッコミを入れるかスルーするか選ぶんですよ。
ツッコミを入れると勉強度が、スルーだと恋愛度が上がっていくんです。
ちなみに、私は今倉橋さんのボケをスルーしました」


「って事は、お前はトキヤとの恋愛度を上げたいのかよ」

「はい、今私の勉強度が上がりました。
こんな風にバランスよく上げていけば、
最終的にはパーフェクトEDが迎えられます」


「俺、今何かボケたっけ?」

「ちなみに、私が一番好きなツッコミ&スルーポイントは『盗人竹田らしい』です。
この子、本当に馬鹿ですよね!」


「清々し過ぎるだろ、その笑顔は……」

「ねえ、俺、またスルーされた?」

「よかったな、愛されてて」

「このゲーム、クリア後のおまけも充実してるんですよね。
って言いたい所なのですが!」


「はい、愚痴入るぞー」

「正当な訴えですよ。
おまけで、キャラの色んなボイスが聞けたりするんですよ。
それはもう、動物の鳴き声から悶え声まで。
たつ君のなんて、あれ、完璧に喘ぎ声でしたよ」


「聞いてて本気でビックリした」

「こっちが悶えそうになりましたよ。それはいいんです。
収録されている内容としては、声フェチにはヨダレもんなんですが……」


「携帯サイトのアプリクリアしねぇと聞けねぇんだよなあ」

「こちとら金払ってゲーム買ってるってのに、そのゲームの、
一部分とはいえ中身を見るのに、更に別途で金払え? 
ふざけるな」

「あ、ヤバい。目がマジだ」

「とか何とか言いつつ、しっかりクリアして、PASSはゲット済みだけどな」

「踊らされてる感が悔しかったので、用が済んだらすぐに解約しました。
この企業、他のゲームでも同じ様な事してるんですよね。
声オタをいいように利用はしていますが、味方には出来てませんよ、その商法」


「でも、『鈴木達央』ファンにはおススメなんでしょ?」

「それはもう。彼が出演している乙女ゲームの中では随一ではないでしょうか。
ツンだしデレだしエロだしエロだし。
もちろん、好みにもよりますけどね。
彼の声が好きで、メガネ属性ありの方は、特攻して間違いはないと思います。
そして私と同じように心の中で叫んでください。
メガネキャラが見せ場でメガネを外すんじゃない!!」

「こいつ、ホントたつ君関連は熱いよなあ」

「声とメガネは関係ないけどね。あ、もうこんな時間」

「あ、私バイトです」

「おつかれ。何時までだ? 俺ら今からてっさん家行くけど、お前も後で来る?」

「はい。それじゃあプティフールを持っていきますね」

「乙女ゲームを差し入れか何かみたいに言うな」

「瞬時に乙女ゲーだって分かっちゃうんですね……」

「お前が俺をこんな風にしたんだろ!」

「カズナ、それ取りようによっては微妙な発言だから。
じゃ、てっさん家で待ってるね。いってらっしゃい」


「いってきます。
冷蔵庫にあるグレープフルーツ(5個分)の砂糖漬けは
私のなんで食べないでくださいね」


「はいはい」





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